いつの間にかブログ記事のアクセス数で3番目に読まれている記事が、1年半前に書いたこの記事。
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この頃はまだリオに出発する前で、オリンピックボランティア未体験でした。「帰国後に総括を書いていなかったのか」と反省の意味も込めて、1年半経った今、感じていることを記しておきます。
2年前に2020東京大会ボランティアの素案が発表された際、ネットなどでは「ブラックだ」として話題になりました。
その内容は次の通り。
・コミュニケーション能力がある
・外国語が話せる
・1日8時間、10日間以上できる
・採用面接や3段階の研修を受けられる
・20年4月1日時点で18歳以上
・競技の知識があるか、観戦経験がある
実際にリオ大会でボランティアとして活動して見ると、勤務場所やチーム構成などにもよりますが、1日8時位間以上働くことなんてザラにありましたし、役割も2つ3つ以上任されたり、通勤に2時間以上かかることも。忙しくてランチが食べられないこともありました。確かにこれを「仕事」として考えると、お給料にもよりますが「ブラック」だと言う人も中にはあるかもしれません。実際に、途中で離脱したボランティアが1万5千人に登るなど、最後まで話題に事欠かないリオ大会のボランティア事情でした。
では、残されたボランティア達はどうしていたかと言うと、離脱したボランティアの穴埋めのために仕事が増えたり、途中から違う仕事を任されたり、勤務時間が増えたりといった状況で「リオ大会でボランティアできて良かった、東京大会でもボランティアしたい」と言うのです。もちろん私もその一人。
では、オリンピックボランティアのメリットとは何か?
・世界中の人と働ける
・世界トップクラスの現場を体験できる
・世界トップレベルの研修が受けられる
・制服やオリジナルグッズがもらえる
・選手、著名人や国賓と会える
・いつもと違う仕事体験ができる
・競技や開閉会式リハーサルが見られる
これらはほとんどが、お金に換えられない価値です。
夏季オリンピックに関わるスタッフは毎大会10数万人。その中でボランティアが占める割合は半分以上ですから、オリンピックはボランティアなしには開催ができないとも言えます。
そのため、オリンピックに深く関わるスタッフは大会関係者、競技関係者、メディア関係者ともボランティアの存在をとても大切にしています。チームリーダーは常に「何か困ったことはない?」「食事は取れた?」「暑かったら休憩してね」とチームメイトに声をかけますし、新しい仕事を頼む時も「大丈夫?無理しなくていいよ」と必ず付け加えます。
「ボランティアは与えられた仕事以上はやらなくていい」と言うのが大原則だからです。
そう言った意味では、私がこれまで働いてきた職場と照らし合わせてみると「条件はずっといい」と言わざるを得ません。むしろ、今までのどんな職場より気持ちよく自分の経験やスキルを活かして働くことができました。仕事では、お金をもらって働いている以上、基本的に仕事にはノーと言えないから。でもボランティアはお金をもらわないので、ノーと言えるのです。
働く条件以外のメリットは、私の場合はやや特殊ですが下記などがあります。
・テレビ、雑誌などメディアでインタビューされる機会が増えた
・本や雑誌などに寄稿させてもらう機会が増えた
・講演、研修依頼が増えた
・東京2020で働くことになった
もともと東京オリンピックではボランティアとして参加したかったので、最後については100%メリットではない部分もありますが、仕事の可能性が広がったのは確か。その代わり、自分がこれまでにしてきた仕事の時間が減っているので、バランスをどう取るかは課題。収入も随分と減ることになってしまいました。。。収入はともかく、毎日が刺激的で特別感があるのは間違いありませんから、メリットです。
私の仕事はオリンピック期間までなので、パラリンピックは絶対ボランティアで参加します。どんな仕事になるかはわかりませんが、なんでもやりたい気持ちに変わりはありません。なぜお金をもらって仕事もできるのにボランティアで?と疑問に思われる方はぜひ、講演に足をお運びください。講演等のご案内はこちらのブログでも順次行なっていきます。
平昌五輪が終わって(パラはこれから)、東京オリンピックに向けてのオリンピックボランティア熱も再燃といったところでしょうか。おかげさまですでに複数の大学、企業様から講演・研修のご要望をいただいておりますが、今後もまだまだ受け付けております。オリンピックボランティアに向けて何かしたいけど分からない、経験者の声が聞きたいといったご要望がおありの学校・市区町村・企業様は、ぜひ下記よりお問い合わせください!
multilingualclub.jp